眠る守護

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「ただい……ま?」  学校から帰宅すると、玄関に見慣れない革靴があった。  しかも、きちんと揃えてある。家族にこういう上品なことをする人間はいないのに。 「あ、昭人っ。お客さま来てるから、失礼のないようにね」  玄関に出てきた母親の声がやけに慌てていた。 「はあ?」  うちに客が来るとは珍しい、と思いながら狭い廊下を渡り、リビングに入る。  その客は、奥の和室にいた。 「やー、相変わらずやる気のない返事だねえ。元気だった?」  人なつっこい細面の笑顔には、嫌になるくらい見覚えがある。 「連城広希!」 「はい、正解。わー、昭人くん制服姿だねえ、新鮮」 「なんであんたがうちにいるんだ!」
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