眠る守護

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「だって藤倉家と連城家って親戚だもーん」 「し……」  母親が続柄を説明してくれたが、誰それの嫁ぎ先の誰かと言われても遠すぎて見当がつかない。 「……の、息子さんにあたるのが広希さんよ」  それが本人かどうかもわからないのに、家にあげてしまった母親も警戒心がなさすぎる、と思ったが、よく見ると広希は黒のスーツを見事に着こなし、きちんと正座している。  疑いようのない所作だ。 「あんたって……」 「これぞ大人力!」  自慢げに言った。 「……ふざけんな」  和室に入り、無理やり広希の腕を引いて立たせた。 「昭人くん?」 「昭人! お客さまになんてことするの」 「いいってこいつ知り合いだから。ちょっと出てくる」
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