眠る守護

5/45
前へ
/46ページ
次へ
 他人に聞かれずにすむ場所は、公園しか思いつかなかった。  狭いためか、遊具がいくつかあるだけで植えられた木はない。そのほうがいい、と昭人は何となく思っていた。 「あんたがおれに頼みごとって、変だ。しかも直接うち来るか普通。メールか電話するだろ、まずは」 「だって、連城家の人々は守護使うから電話いらないんだよ」 「はあ? 守護って確か、自分を守ってもらう契約だろ。なに緑を便利に使ってるんだ」 「相手と会話できないのが少々難あり」  うーん、と腕を組む。 「……電話したほうが早くね?」 「……私もそう思うけどね」 「なんで使わないんだ」 「伝統なんだよ。昔は家に電話なかったから」 「いつの時代だ!」 「古い家系だからね。なんで一般の方々はああいう器用な作業できるのかな。不思議でしょうがないよ」 「一般……って」
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加