眠る守護

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 残念そうには聞こえなかった。  予想してたなら契約しなきゃいいのに、と思って、ふと気づく。  そこまでして連絡を取りたい理由。  それを知るのは、怖い気がした。 「使ってないのに何で壊れるんですか。ちょっと貸して」  まだ画面に保護シールがついたままの真新しい携帯を取り上げる。 「昭人くん、さっきからプチ丁寧語。広希さん嬉しいよー」 「うるっせえな。……ってこれ電源入ってねえじゃんか!」 「ん、でんげん? 充電いっぱいしたよ?」  広希が手元を覗きこんできた。 「おお、光ってるよ昭人くん。さすが一般人!」  褒めているつもりらしいが、気になるのはそこではなく。 「これって、しゃべる緑とか守護の影響で電源落ちるのか……?」 「いや、原因不明の怪奇現象らしいよ。うちでは珍しくないけど。で、どの番号知っときたい?」  各社の新機種が並んだベンチを指さす。 「や、無駄な気がする」  ひとつずつ電源を入れてみる。  どれも壊れている様子はない。
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