遅咲きの繚乱

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男でしたことはあったけど、ここまで感じなかった。 部屋の明かりがついているせいなのか、それともカーテンが開いているせいなのか。 背中を這い回る快感にぞくぞくして、あられもなく喘いだ。 消えている男の部屋を霞のかかった目ですかし見る。 男の視線が自分を嘗めているような気がした。 そして、それにとてつもなく興奮する。 「あっ……ん……ん、もっと……んっ。犯して?ん……ん……犯して!」 思う様に喘ぎながら、ズボンをずり降ろして引っ張り出した自分を慰め続ける。 開けた口から唾液が流れるのを感じた。 オレ、何こんなに感じてるんだろ。 最低だ。 そう思いながらも、欲望に霞んだ目の前に、光が飛ぶ。 あ、マジでイキそ。 身体を起こすと、しごきながらティッシュに吐き出す。 いつもとは違う大量の精液は、男を鮮明に思い出していたからだろう。 吐き出した途端に罪悪感が込み上げてきて泣きそうになる。 「な……にやってんの。」 喘いで掠れた声で呟く。 乱暴にティッシュを処分すると、部屋の明かりを消した。カーテンを閉めようと窓を見る。 暗くなった部屋の中、向かいのベランダに灯りが見える。 向こうの部屋の明かりじゃない。タバコの火の小さな。
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