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我慢か。
そう、遠野さんは我慢していたんだ。
だけど、しきれなかったみたい
ダメだなぁ。
あんなに顔にも態度にも出しちゃって、ダメ過ぎる。
「新城はどうしたい?」
「ダメだと思います」
ザワ、と会議室が膨らむ。
「理由は?」
「そうですね、僕はもっと我慢した方がいいかと」
「我慢?」
「そこはまだ我慢して、次に乗せていく方が演出的には
盛り上がるかと」
膨らんだ空気が、また落ち着いていく。
そう、我慢が足りなかったねぇ?
遠野さん。
オレはにこやかに頷き
彼女の引いた図面を隅から隅まで目で追っていく。
どうやって、遠野さんを追い込もうか考えながら。
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