幸せな半年間

ディズニーランド

　ろくすっぽ貯金もないから、ぼくにとって、この５千万には大いに勇気づけられた。

　出所不明ということに一抹の不安はあったが、もはやそうも言っていられない。あとでどんなことになろうとも知ったことかと開き直った。

　もちろん散財してしまうつもりはない。５千万円は大金とはいえ、まだ２０代のぼくがこの先一生食っていけるだけの金額ではない。だが少しぐらいの贅沢をしたっていいではないか。負けっぱなしの人生、これぐらいは許されるはずだ、と勝手に解釈した。

　次の仕事が見つかるまでの間、遊んだっていいじゃないか。

　で、念願だったディズニーランドへやってきたのである。

　平日だから一人、というわけではなかった。もともと友人はいない。非正規やアルバイトで職を転々としているため、人間関係を築けないのである。