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私達も距離を保って、様子を伺う。
そんなこと、本当はダメなんだろうけど、
この時、そこまで考える余裕など皆無だった。
美緒と終始、驚き気味に見守る。
「あの、私、沢田さんが好きです。」
え?いきなり告白?
「俺、」
「わかってます。奥さんもお子さんもいるの。」
「だったら、」
「それでも、好きなんです。
何度も諦めようとしたけど、諦められなくて。」
「けど、」
「一度だけでもいいんです。」
すごい、喋る隙を与えてない。
そう、美緒が呟いたのが聞こえたけど、
私はそれどころじゃなかった。
彼女に、自分を見ているようで。
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