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そうは思っても、
会いに行くことはどうしても憚られて。
偶然会うということもなく、数日が過ぎ、
気付けば彼の姿を探してしまっていた。
いやね、ただお礼が言いたいだけ。
それだけ、だよ?
って誰に言い訳してるんだ、私は。
そんなとき、
「あ、」
思いがけず社員食堂に入って来た彼を見つけた。
美緒と並んで、すでに定食を食べはじめている私が、急に席を立つのは不自然だ。
「どうしたの?」
「ううん、なんでもない。」
どうしようかな。
このチャンスを逃したくないし。
とりあえず食べてから、お礼に行こう。
そう決めたけど、何故かドキドキしてしまって、食事も儘ならない。
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