きっかけ

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「晴香、食べてないじゃん。」 「うん、あまり食欲なくてさ。 あ、先戻っていいよ?もうちょっと食べてから行くから。」 美緒は何の疑いも向けることなく、先に戻って行った。 …ふう。 たかが、お礼だけなのに、緊張してしまう。 もう、食べられそうにない私は、 意を決して、食事中の彼のテーブルに向かうため 席を立った。 自分のトレーを片付けてから再び目を向けると、 彼の周りにいた人達はいつの間にか居なくなっていて、食事をすでに終えている彼はスマホを弄っているようだった。
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