きっかけ

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「あ、すいません、私、」 「具合悪いの? 前、歩いてたと思ったら、急に消えたから。」 「たぶん、貧血です。」 そう答えて、立ち上がろうとしたけど、 立ち上がれなくて。 「いいよ、掴まって。」 「すいません。」 「とにかく、中入って座れるとこ行こう。」 そう言って、一人じゃ歩けない私を休める場所まで連れて行ってくれた。 「じゃあ、俺行くけど、」 「はい、ありがとうございました。」 「もし無理そうなら、ちゃんと助け呼びなよ?」 「はい。」 少しラクになった私は精一杯の笑顔で応えた。
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