199人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ、でも愛莉、大阪に引っ越しましたよ」
「みたいだね、渡瀬から聞いた」
「そうですか……でも、愛莉が幸せになって本当に良かったです」
寂しいような嬉しいような曖昧な笑顔で微笑む彼女。
「そうだね」
話が途切れると、途端に外野の賑やかな声や音が耳を占領する。
「……で、その後ど?」
諭すように柔らかく聞くと、彼女は微かに頬を動かして静かに言った。
「何も変わりはないですよ」
「そうですか」
「……はい」
「ちょっと厳しい言葉を言ってもいいかな」
「はい」
「君がもし上妻課長じゃなくて渡瀬とそういう関係だとしたら、真理恵ちゃんはどう思うかな」
最初のコメントを投稿しよう!