199人が本棚に入れています
本棚に追加
もどかしい気持ちを緩和させるように溜息を吐きだすと、煙草に火をつけた。
数秒目を瞑って、煙を深く吸い込んだ。
「一本ください」
え?
小早川さんのセリフに瞬時に目を見開くと、彼女は手を出しながらもう一度同じセリフを言った。
「煙草、一本ください」
「……いいけど、小早川さん煙草吸ってたっけ?吸えるの?」
「吸ったことないけど、吸いたい気分なんです」
口を尖らして不機嫌そうに言う。
「あ、そう、どうぞ」
もう子供じゃないんだし、吸いたいなら一本くらいはあげてもいいだろう。
ボックスから一本だけ煙草を出して彼女にあげた。
最初のコメントを投稿しよう!