第2章

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「始まりは二年前です。私が仕事で取り返しのつかないミスをして課長に凄く怒られたことがあったんです。」 「二年前……」 そんなに長い関係だったのか。 「その時、自分の馬鹿さ加減に悔しくて、課長の前で泣いてしまって……。そしたら後日食事に誘われて、色々仕事の愚痴を聞いてもらったんです。勿論その時は何もありませんでした。でも、何回か一緒に食事に行くうちに……そういう関係になってしまいました」 「そうだったんだー……」 「どうしたら元通りになるのかな……」 彼女は伏し目がちに呟いた。 「小早川さんはこの現状が泣くほど辛いんだよね?」 彼女は再び瞳を潤わせてコクリと頷く。
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