第2章

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二秒だけ彼女に目をやると、いつも通りパソコンに向かって仕事をしている。 ついでに上妻課長にも目をやるが、上妻課長の姿はなかった。 お礼なんていいのにな。そーゆー所は生真面目なんだな。 白紙用紙から付箋を取ると、ジャケットの内ポケットにしまった。 ◇ 夜、帰宅すると、缶ビール片手に彼女にメールを打った。 ―――――――――― お疲れ様、高坂です。 付箋読みました。 配線ぐらいでお礼なんていいよ。 気持ちだけ頂いておくよ。 ありがとう。 ―――――――――― 彼女からの返事はすぐに返ってきた。 ―――――――――― 私の気持ちがおさまらないんです。 だから食事に付き合って下さい。 ―――――――――― ぶっ。なんじゃそりゃ。 気持ちがおさまらないって、まだ俺に文句でも言いたいのか? ―――――――――― 何それ、どういうこと? まだ俺に何か言い足りないことでもあるの? ――――――――――
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