雪に交わした約束

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「天気が良ければ、もっと見えたのに」 知樹の言う通り。 だけど、こうして知樹と一緒に、同じ景色を見られることに価値がある。 窓に駆け寄り景色を眺めていると、知樹が私を後ろから抱き寄せた。 「俺達の街」 「うん」 知樹は私の肩に顎を乗せ、囁く。 間近で感じる彼の息づかいに、クラクラする。 「ここでずっと一緒に暮らそう」 互いに一度高山を出て、都会の便利さも知った。 刺激も多く、華やかな世界には違いなかったけれど、やはり安らげるのは、生まれ育ったこの土地。 「待ってる」 「あぁ」 知樹はこんなに甘い人だっただろうか。 会えない時間が、私達の「好き」を加速させた。 「さて、一馬オススメの風呂に行こうか?」 「うん!」 振り向いた私の額にキスをした知樹は、にっこり笑った。
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