初恋は、幼馴染と

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だけど、三人共、都会に出て行きたいわけではなかった。 いずれ高山で働くための第一歩、だったのだ。 私達は皆、高山で生きていきたいという気持ちが強かった。 高山は、決して過ごしやすいとは言えない。 冬は大量の雪が降り、雪かきは重労働だったし、あまりに積雪量が多い日は、家の玄関を開けられないほどになる。 それなのに、夏が涼しいかといえばそうでもなくて、おまけにどこかに行くには山を越えなくてはならない。 それでもここにいたいと思うのは、秋の紅葉の素晴らしさと、昔から残されている街並みの趣深さ。 そして、なんと言っても高山祭が私達の心をとらえて離さなかったからかもしれない。 いや、それだけではない。 三人そろっていられるのは、高山しかないからだ。 私達は受験に向けて一丸となった。 常に三人で勉強し、わからないところは教えあい、ついには三人とも合格をつかみとった。
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