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陣屋前で行われるからくり奉納があるのは、からくり屋台の三台だけ。
だけど、祭には他にも十二台の屋台がある。
三番叟・石橋台・龍神台のからくりは人気が高く、二日ある祭のうち四回行われるけれど、どれも人であふれかえる。
熟練の職人が遠くから糸で人形を操るというパフォーマンスは、ただ圧倒されるという一言に尽きる。
その人形の動きが、あまりに繊細でかつ大胆だからだ。
龍神台のからくりの披露が始まると、大きなどよめきが起こる。
これは三十二条もの糸を操って動かされているもので、唐子(からこ)が壺を持って先端までたどり着くと、その壺の中から突然龍神が現れて紙吹雪をまき散らしながら踊り狂い始めるもの。
かなり迫力があって、その演出も素晴らしく、私の一番のお気に入り。
屋台自体は、上部に大太鼓を載せた神楽台以外は同じ作りをしているのだけれど、どれも繊細な彫刻が施されていて、これまた見事の一言。
高山の財産だ。
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