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うっかり手を滑らせてしまった。
床に汁が飛び散る。
「ごめんなさい、うっかり・・・」
次の言葉が出なかった。
口が思うように動かない、それになにやら息苦しい。
金魚のように、バカ正直に開閉することしかできない。
それだけではない。
手も足も、力を失ったかのように動かせなくなってきた。
「山のもんより肉付きはアレだが、三日ぶりだ」
男がむくりと腕を動かし、懐から何かを取り出した。
私の手がほとんど隠れるんじゃないというぐらい大きな、サバイバル
ナイフ。
叫ぼうにも、声がでない。
「ごめんなあ、道夫は血の気のあるもんしか食えんから」
こいつは何を言ってるんだ。
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