第1章・10年待ってて下さい

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「先生はお元気でしたか?」 「元気よ」 「俺が知らない間に結婚してたんですね」 「美羽ちゃんには年賀状で伝えたんだけど……」 景太の射るような眼差しが苦しくて、私は思わず下を向く。 この10年間、美羽とは年賀状のやりとりが続いていた。 景太とは最初から年賀状の交換もなく、教育実習を終えて半年ほど続いたメールも私から断ち切った。 「美羽から聞いて知った時は驚きましたよ。正直、ショックだった」
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