第1章・10年待ってて下さい
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暑い――。 今日は風もなくて凄く暑い。 真夏の無風状態は、暑さをより一層辛く感じさせる。 日が暮れる時刻になっても、サウナにいるような感覚だった。 むわっとした空気が不快感を募らせる。 買物からの帰り道。 重たいエコバックが腕に食い込み、皮膚に赤い痕がつく。 こんな人生が、あと何年続くんだろう……。 今日は風もなくて気分最悪だとか、今日は風が心地良いからマシだとか。
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