第1章・10年待ってて下さい

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「すみません、けっこう長電話になっちゃって」 「気にしないで。あ、ケーキ食べない? ちょうど美味しいパウンドケーキがあるの」 私は美羽と景太を交互に見ながら言った。 「わぁー、食べたいけど残念! もう帰らなくちゃいけないんです」 「そうなの?」 「はい。今の電話で『今夜、シフトに入って欲しい』って言われて」 「急に言われるなんて大変ね」 「参っちゃいますよ! 予定の人が熱出して休むとかで、必死に頼まれたから断れませんでした」
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