第1章・10年待ってて下さい

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声の主は沖永景太(おきなが・けいた)。 大学時代に教育実習へ行った中学校の生徒だった。 私が大学4年生で景太が中学1年生の初夏、私たちは出会った。 それから今日まで、約10年が経過している。 景太の隣には、藤崎美羽(ふじさき・みう)がいた。 美羽も景太と同じく実習生時代の生徒で、元同級生の二人は付き合っている。 景太と美羽は私の家の前で、寄り添うように佇んでいた。 「二人とも、どうしたの?」
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