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翌日。
同室の紀民が、ちょっと外に出たかと思うと、あわてふためいて帰ってきた。
「秦盟」
「何かあったのか?」
「役人が来ている」
「太学に役人がうろうろしているのは普通だろうが」
「違う、取り調べの役人だ。それも、冊社省」
「冊社省? 寺廟のことを司る部署と太学では、関係が浅いな」
「蓮華寺で、人が殺されたそうだ。それで、学生を取り調べたいと申請が出されたそうだ」
「蓮華寺……」
秦盟は、はっとした。
蓮華寺。薊花とときどき会っていた、あの、荒れ寺。
明るくなったら、学章を探しに足を運ぼうと思っていた場所の一つだ。
昨日は本堂に明かりが灯り、人が集まっている様子だった。
そこで、まさか、殺人とは!
まさか!
秦盟の嫌な予感は的中した。
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