第1章

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「折原さんって」 「はい」 「頭の中、読めるんですか?」 「は?」 ERでの夜勤中 緊急オペの最中に掛けられた声 あたしは 腹腔内の臓器を触診しながら 驚きの早さで損傷箇所を見つけた 大森先生にメッツェンを手渡した。 「…………」 その手の中に収まった メッツェンを見ながらまた、一言 「ほら、こーゆー所なんですが」 「は?」 「大概のナースはクーパーなんですよね」 「……早くヤッてください」 クーパーでも メッツェンでも、いーから 早く剥がして、合わせて、閉じて! これが大森先生がERの当直に入って 間もなくの事、 あたしとの出会いだった。
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