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「あっ、あぁああ!」
怖くなって、今度は自身で力を放つ。
岩は隕石のような物によって動きを阻止された。
「助けて……」
あれは何なのか、見ただけで恐怖を連想させる。
目が付いた岩は、少しするとまた転がって来た。
(僕に、近付かないで!)
少年は連続で力を放つ。
あまりにも強い力、そのせいで逃げ出す人々にも被害が及んだ。
岩の方に弾き飛ばされて行く人々。
「怖い、怖いよ……」
脳内には恐怖しか残らない。
次第に、街が壊れていく。
異形の岩の化け物によって死んで行く人間。
「助けてよ、誰か……」
僕は強く願いながら素早く走る。
最早、少年は。周りとは速度も桁違いのスピードだった。
何度も何度も、自分の足に力を放って逃げ続けた。
すると、暫くして後ろが静かになった。
「に、逃げ切れたのかな?」
少年は息すら切らさず、全く疲れた様子がみられない。
恐る恐る振り返ると、別の街に到着していた事が分かる。
「ここは、人が少ないみたいだ」
ようやく落ち着いたのか、少年は地面に座り込む。
しかし、決して疲れたと言った感覚は無い。
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