第1章 異形

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「あっ、あぁああ!」 怖くなって、今度は自身で力を放つ。 岩は隕石のような物によって動きを阻止された。 「助けて……」 あれは何なのか、見ただけで恐怖を連想させる。 目が付いた岩は、少しするとまた転がって来た。 (僕に、近付かないで!) 少年は連続で力を放つ。 あまりにも強い力、そのせいで逃げ出す人々にも被害が及んだ。 岩の方に弾き飛ばされて行く人々。 「怖い、怖いよ……」 脳内には恐怖しか残らない。 次第に、街が壊れていく。 異形の岩の化け物によって死んで行く人間。 「助けてよ、誰か……」 僕は強く願いながら素早く走る。 最早、少年は。周りとは速度も桁違いのスピードだった。 何度も何度も、自分の足に力を放って逃げ続けた。 すると、暫くして後ろが静かになった。 「に、逃げ切れたのかな?」 少年は息すら切らさず、全く疲れた様子がみられない。 恐る恐る振り返ると、別の街に到着していた事が分かる。 「ここは、人が少ないみたいだ」 ようやく落ち着いたのか、少年は地面に座り込む。 しかし、決して疲れたと言った感覚は無い。
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