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「お師匠様?」
パンの量も気になったが、そっちの方が気になった。
「そういえばニコルって、なにをしているの?」
毎日顔を合わせているけれど、ニコルのことはなにも知らない。どこに住んでいるのか、どんな仕事をしているのか、興味があった。
ニコルはうーんと天井を仰いだあと、メロに視線を戻すとにこっと笑った。
「内緒!」
ますます謎は深まるばかりだった。
○●○●○
明かりの灯された店内で、ニコルは楽しそうにパンを選んでいる。メロはカウンターに座ってそれをじっと見ていた。
夜にニコルが来るのは珍しい。これから晩ごはんなのか、明日の朝ごはんにするのか。
「メロ」
突然彼と目が合って、メロはびくっとした。
「な、なに!?」
「そんなに見られちゃ選びにくい」
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