第三章 好きって気づいた

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頬を膨らませツカツカ歩いていってしまう。 急ぎ足で追いかけながら、優晴より頭一つ小さな位置で歩く杏那の顔を盗み見る。 あ、汗かいてる。今日朝でも暑いもんな。 ポケットからハンドタオルを出して額の汗を拭う。 「お、気が利くねえ。ありがとう」 にひひと笑って上目遣いで見てくる。 「お、おう。急ぐぞ」 そんな可愛く見られたら一言返すので精一杯だ。 なんなんだよ、この気持ち。 胸の奥がむずむずしてきしょくわりい。
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