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頬を膨らませツカツカ歩いていってしまう。
急ぎ足で追いかけながら、優晴より頭一つ小さな位置で歩く杏那の顔を盗み見る。
あ、汗かいてる。今日朝でも暑いもんな。
ポケットからハンドタオルを出して額の汗を拭う。
「お、気が利くねえ。ありがとう」
にひひと笑って上目遣いで見てくる。
「お、おう。急ぐぞ」
そんな可愛く見られたら一言返すので精一杯だ。
なんなんだよ、この気持ち。
胸の奥がむずむずしてきしょくわりい。
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