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「いや、確かに式守の異能を使えば、ある程度捕捉する事は可能だけど、元々は索敵能力に特化しているわけじゃないから、厳しいかもしれないな」
彩音の異能は電気。
様々な局面において応用の効く力ではあるが、今回の依頼内容ではその力を十分に発揮する事は出来ないと修市は判断した。
「怪奇さんが言っていただろ。今回の依頼の対象は、あくまでも妖の可能性が高いだけで、可能性的には人間も否定は出来ないって」
怪奇は、あくまでも鎌鼬と接触したのは妖であろうと推測している。
妖は人を襲い喰らう存在。
故に、妖と人間が何らかの接点を持つ事は考え難く、怪奇の推測も正しい判断と言えるだろう。
しかし、それはあくまでも推測の域を出ておらず、可能性としては、依頼の対象が人間である事も否定できないのだ。
そして、彩音の索敵能力は、相手が人間か妖かを見分ける程度。
この繁華街に妖がいる事自体、それはそれで問題があるのだが、彩音や修市達は、妖を監視・駆逐の対象とする専門の機関で無い為、例えそこに妖がいたとしても、その妖に対し、表立った行動を取る事が原則的に出来ないのだ。
そして何より、彩音の異能には致命的な弱点があった。
「それに、式守の異能は長時間持続させる事は出来ないだろ。もしもの時に『電池切れです異能が使えません』ってなったら、それこそ大問題だ」
彩音の異能には、制限があったのだ。
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