5225人が本棚に入れています
本棚に追加
「じゃあ、そのルールでいいよ」
私は適当にそう呟いた。
「特に質問も無いということでいいでしょうか?」
ジャッジの発言に私は頷いた。
「では、ゲームスタートです」
ジャッジはそう告げ、ストップウォッチを作動させた。
それと同時に、私と片割は逆方向に歩き始めた。
カードを隠す場所を探すために歩き始めてすぐ、奇妙なことに気がついた。
私の動きに合わせて移動してくる人間が多い気がする。
私に歩幅を合わせて歩く者。
車の中から私のことを見ている者。
どうやら、死刑囚が物珍しいというわけでもないようだ。
「あのガキ」
私は呟いた。
あいつは、こいつらを雇ったのだろう。
おそらく、私が隠した金を片割のところまで持っていけば、金を払うという条件のもと、あの女はこいつらを雇ったのだ。
つまり、こいつらをどうにかしないと、私がどこに金を隠そうが、全て片割のところに持って行かれてしまうのだ。
私は少しだけ頭を掻いた。
最初のコメントを投稿しよう!