7月19日 午前10時

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「これより、木佐浩一の法廷を開廷します」 白ヒゲをたくわえたハゲ頭、もといスキンヘッドの裁判長が、声高らかに宣言する。 「検察側、準備完了しております」 「弁護側、準備完了しています」 よし、噛まずに言えた。 「ええと……鳴木君、でしたかな。今回が初めての法廷だとか」 検事席の男が話しかける。 「はい、そうです」 「ふっふっふ……。法廷とはどんな所か、私が身を持って体験させてあげよう!」 声高らかに宣言したこの男の名前は、板井両道(いたいもろみち)。今回の事件の担当検事だ。希月さん曰く「新人キラー」の異名を持つベテランらしい。
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