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「これより、木佐浩一の法廷を開廷します」
白ヒゲをたくわえたハゲ頭、もといスキンヘッドの裁判長が、声高らかに宣言する。
「検察側、準備完了しております」
「弁護側、準備完了しています」
よし、噛まずに言えた。
「ええと……鳴木君、でしたかな。今回が初めての法廷だとか」
検事席の男が話しかける。
「はい、そうです」
「ふっふっふ……。法廷とはどんな所か、私が身を持って体験させてあげよう!」
声高らかに宣言したこの男の名前は、板井両道(いたいもろみち)。今回の事件の担当検事だ。希月さん曰く「新人キラー」の異名を持つベテランらしい。
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