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もう一度出版社に電話を掛けた。 「忙しいところを何度もお手間を取らせてすみません」 今後の萱野の仕事に影響が出ないよう、細心の注意で電話を掛けた。 「誰かに萱野さんを紹介した事はありませんか?」 何社かきいていると、一つ手掛かりを得る事が出来た。 「そういえば、村落経済新聞社でルポライターを探していたから、紹介しましたよ」 「ありがとうございます!」 ここにきてようやく大きな手掛かりを得た。 しかし「村落経済新聞社」とは? 聞いた事がない。 早速ネットで検索した。 「あった!」 販売数5千部。 3か月に一回発行。 新聞社と言っても社長が編集長兼任で、スタッフ3人しかいない小さな会社。 小さい、小さい新聞社。 こんな会社の仕事もしていたのか。 社長の横顔が載っている。  ― 箱崎さや子。34歳。 若い女性で驚いた。 “元大手広告代理店勤務。村の情報を一元化した新聞を発行したいと独立。「村落経済新聞社」を一人で立ち上げる。” なんか・・・、凄い冒険者。 村専門の経済新聞か。 ここは可能性が高そう。 「行ってみよう!」 モナは新聞社にすぐ向かった。
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