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「どこから調べようか」 萱野からきた最後のメールを再確認。 「えーと、最後のメールは、村祭りの取材で数日出掛ける、か・・・。どこの村かまで書いていないわね」 このメールでは、西へ行ったのか、東へ行ったのかさえ不明だ。 もっと詳しく聞けばよかったが、萱野はどこへ、何しに、何日間、誰と行くのかなどを詮索されることを嫌がった。 それに自分自身も仕事で忙しかったため、いつものようにその内帰ってくるだろうと聞き流してしまった。 でも取材と称しているなら、出版社の依頼だろう。村の名前は出版社に聞けばいい。 萱野が取引している出版社はいくつかあるが、自分はその出版社名を知らない。 部屋の角に萱野のコラムが載っている雑誌がまとめて置かれている。 出版社から郵送されてくる見本誌だ。 モナはそれらを調べた。 「若者向け旅行雑誌」 「お年寄り向け生活情報誌」 「駅・車内で配布する無料情報誌」 「地域フリーペーパー」 どこも村祭りルポを頼みそうだ。 片っ端から編集部に電話を掛けた。
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