僕の話

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そんな日々が一週間も続いたでしょうか。 バイトが休みだったので、早く帰った日がありました。テレビを見ながら、コンビニで買ってきたソース焼きそばと餃子をつまみにビールを飲んでいました。 気にしないつもりでも、視線の中に赤い靴が入ってきました。問いつめられるのは、もうたくさんだ。答えなんか出るわけないんだから、どうにかしなくちゃ、そう思いました。 でも、どうしたらいいんだろう。捨てるか、もとあった踏み切りに置きに行くか、どうしよう。やっぱり答えはでませんでした。見えるからいけないんだ、見えなければいいんだ、とりあえず押入れに放りこもう。 僕は最も消極的な解決策を思いつきました。そして、あの日以来初めて靴を手に取ったのです。そして、あらためて靴を見たんです。拾った時は気がつきませんでしたが、その靴は不思議な靴でした。
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