Ⅰー10【告白】好きだと、言って。

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傾き始めた夕日は、赤く染まる大地の底に呑み込まれ、 上空には白い満月が顔を覗かせる。 その淡い月光の下、 私の視線の先には、 あの日と同じ、賑やかな祭りの灯りが揺れていた。 遠くで聞こえる、祭り囃子の太鼓の音。 賑やかに、行き交う人の群れ。 そこここで上がる、楽しげな笑い声。 食欲をそそる、屋台の美味しそうな匂い。 鮮やかに甦る、遠いあの日の光景を胸に抱きながら、 私は、青い水風船を一つ買って、右手の中指にゴムを通す。 左手には、店で一番大きいリンゴ飴。 カプリと、一口かじりつくと、 あの日と変わらない素朴な甘酸っぱい味が、口いっぱいに広がった。
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