Ⅰー10【告白】好きだと、言って。

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静かに目を閉じ、あの日のハルカを思い出す。 私と色違いの、裾に赤い金魚柄が入った、淡い空色の浴衣から出た手足は、白くて折れそうに華奢なのに、 しゃんと伸ばした背筋と、真っ直ぐな眼差しは、とても力強くて。 そう。 その姿はまるで、太陽を凛と見つめ続ける、向日葵の花を思わせる。 向日葵は、どんなに強い日の光に焼かれたって、太陽を見つめるのを絶対やめない。 とても、 とても、強い花――。 「ハルカ……」 胸に忍ばせてあるハルカの手紙に、そっと右手をのせた。 振られた水風船が、今の私の心のように、ユラユラと揺れる。
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