永い午睡(ねむり)から目覚めたら

2/13
前へ
/13ページ
次へ
 「残念だなあ。本当にやめちゃうの」  そう言葉を零すと、宗介さんは僅かに眉根を寄せた。  草花の息吹を孕んだ風がふわりとそよいで、レースのカーテンを揺らす。  「もう決めたもの」  甘い花の香りが鼻を掠めて、私は目を細めた。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27人が本棚に入れています
本棚に追加