ヒロインに相応しい運命の出会い

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「ごめん。私たち別れよう?」 「え?..…どうして?これから映画見に行こうって、いってたじゃん」 出会って数時間の彼だった。 彼はそこそこのイケメンなんだけど、自分のことばかり話してきて、あまりに話がつまらなくて飽きてしまった。 「ごめんねー。誘ってくれてありがとう」 人が行き交う交差点で、ぽかんとたたずむ彼を置いて、別方向の信号の道路を渡っていった。 「たく。もっと良い男いないのかなー?」 私は人生22年間、進学も恋愛もとんとん拍子に事が運んで、苦労したことなんてなかった。 わりと裕福な家庭で育ち、大学までは成績ほぼオールパーフェクトな優秀生徒。 人間関係も順風満帆。友達もわりと多かったし、彼氏がいるのに、なぜか毎日よく告白され、彼氏がいなくて困ったことがない。 今まで、 総勢10人位と付き合ってきたのかな? 世界は自分中心に回っていて、何もかもが楽しいゲームみたいな感覚で生きていた。
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