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「男と遊んで…そんな言葉たたいて。大して自主練もしてないんだろ」
キスマークのついた私の首筋を蔑むように、目を細めて見ている。
私ははっとして首もとを手で隠した。
「まあまあまあ、そんな責め立てなくても…」
登也が仲介しようと、アサトに柔らかく話しかけた。
「そうそ、そうだよアサト」
「お前らは黙ってろ!こんな何も考えてない尻軽女。どこにかばう理由があるんだよ!」
なんなの?この男は。
人が傷つく言葉を平然とぶつけてくる。
だったら、私だって相手がひるむぐらいに反論してやろうと思った。
「私だって練習はしてるよ。ボイトレはしてるし、先生にも誉められてるのに…そもそも5年も一緒にバンドやってた3人と私がメンバー加入して、まだ一か月しか経っていないし。アサトが求めるような歌を歌えるはずないじゃない」
顔は整ってるくせに、こういう典型的な短気男、メンバーとして付き合うの、超めんどくさそう。
「そんな今からまだ1か月くらいあるのに、本番みたいに練習する必要ある?ぶっちゃけ、本番でうまく歌えたらいいでしょ?」
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