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次の日、朝早くから皆が集合しているであろうスタジオのドアを少し開けて、泥棒のように恐る恐る中を覗き込んでいた私。
登也とアサトが何やら打ち合わせしている。
良かった。アサト一人じゃないようだ。
「おはよう優里!何してんの?」
登也は用紙を持ったまま、こちらを見てきた。
「えぇっ!なんで分かるの?」
「分かるよ。なんか気配感じたし」
『気配って、何者なんだこいつ…』
「入れよ」
登也は、ニコニコそう言ってくれてるけど、アサトは明らかに不機嫌な顔をしている。
「う…うん…」
だめだ負けてられない。それに怖じ気づいたらやっていけないぞ。
私は、覚悟を決めてツカツカと入り、アサトの前に立って呼びかけた。
「あのー!」
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