お酒とキスで認めろ

6/6
214人が本棚に入れています
本棚に追加
/523ページ
「おおおお!」 「わ!優里・・・?」 私はソフトにアサトの唇をチュっと奪った。 「うーん…超ー美味しかっ・・・・」 その時の周りの歓声や、キスされてしまったアサトの顔を私は知らない。 ただ、私は何が美味しかったのかわからぬまま。 そのままグラグラして、頭をぶつけないようにキャッチしてくれたアサトの腕の中で、スヤスヤと深い眠りについたのだった。 アサトとはいつも壁があって、非常に話しづらい雰囲気だったから、今回の打ち上げで、酒の勢いをもって少しでも仲を深めようと思ってはいたけど…。 さすがに、こればかりは度をはるかに越してしまった。 翌日、私は美春からその話しを聞いて、ますます会う度に鼓動は高鳴り、目を見ても自然に話せなくなってしまうくらい、焦る一方であった。 でも、アサトは本当に人間の血が通っているのかってくらい、いつも通りの冷静沈着ぶり。 二人きりになってもどうってことないというくらい、仕事の話をしておしまい。 この男…今まで出会った男性の中で全く心読めません。
/523ページ

最初のコメントを投稿しよう!