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「おおおお!」
「わ!優里・・・?」
私はソフトにアサトの唇をチュっと奪った。
「うーん…超ー美味しかっ・・・・」
その時の周りの歓声や、キスされてしまったアサトの顔を私は知らない。
ただ、私は何が美味しかったのかわからぬまま。
そのままグラグラして、頭をぶつけないようにキャッチしてくれたアサトの腕の中で、スヤスヤと深い眠りについたのだった。
アサトとはいつも壁があって、非常に話しづらい雰囲気だったから、今回の打ち上げで、酒の勢いをもって少しでも仲を深めようと思ってはいたけど…。
さすがに、こればかりは度をはるかに越してしまった。
翌日、私は美春からその話しを聞いて、ますます会う度に鼓動は高鳴り、目を見ても自然に話せなくなってしまうくらい、焦る一方であった。
でも、アサトは本当に人間の血が通っているのかってくらい、いつも通りの冷静沈着ぶり。
二人きりになってもどうってことないというくらい、仕事の話をしておしまい。
この男…今まで出会った男性の中で全く心読めません。
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