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嫌だ、もう……これ以上見たくない。
身体は思考とは結びつかず、抗えない力を以って徐々にベッドに近付いていく。
女の身体にぴったりと重なった時。
女が一身に貪っていた感覚がどっとなだれ込んできて、理性を突き破る強烈な快感が身体を貫いた。
急に全身の力が抜け、快楽は血液の流れに乗って身体を満たしていく。
生まれて初めてのその感覚は、抗おうとする意思に逆らい、細胞を伝って身体を一気に侵食する。
男とピタリと視線が合った。
女は背を仰け反らせたまま恍惚の表情を男に返す。
激しく繰り返される振動に、身体は絶頂へ到達しようと痙攣する。女の声は一際高くなった。
「あ……っ!」
「……なんつー夢」
俺は、ベッドの中でぐっしょりと湿った足の間に手を当てて絶句した。
今まで、こんな夢見たことなかったのに。
身体の中に滾ったままの熱と、全身に伝わる強い鼓動は収まりそうにない。
リアル過ぎる感覚と映像が頭から離れず、俺は肩を抱いて深呼吸した。
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