はじめましての日

5/11
10人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
きみとおとんは人見知りするから、不安だったといえば不安だった。 多分そのまま気まずくなって、助けを求めに来たとかそれくらいなのだろう。 「あ、居った。」 「陽くん、なにしとんの?」 「モンスター狩っとんねん。公孝な、めっちゃうまいねんで!」 興奮気味に話すおとんに、たつはそっかぁ、なんて優しく聞いていて。 あぁ、なんかいいなぁ、なんて子どもながらに思ってしまった。 「琉平くんは?」 「ん?リビングおるよ。行こか?」 「うん。」 さも当たり前のように、たつに手を差し伸べているおとん。 たつも、自然にその手を取っていて。 なんだか、たつがおかんになってくれて良かった。 「はよ、琉平のとこ行こうや!いちゃつくなバカップル!」 お似合いでむかついたから、暴言吐いてリビングに走る。 あっちは気付いてると思ってないだろうけど、廊下に響いた可愛いリップ音はがっつり聞こえてた。 子どもの前ではちちくり合わんといてな!
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!