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きみとおとんは人見知りするから、不安だったといえば不安だった。
多分そのまま気まずくなって、助けを求めに来たとかそれくらいなのだろう。
「あ、居った。」
「陽くん、なにしとんの?」
「モンスター狩っとんねん。公孝な、めっちゃうまいねんで!」
興奮気味に話すおとんに、たつはそっかぁ、なんて優しく聞いていて。
あぁ、なんかいいなぁ、なんて子どもながらに思ってしまった。
「琉平くんは?」
「ん?リビングおるよ。行こか?」
「うん。」
さも当たり前のように、たつに手を差し伸べているおとん。
たつも、自然にその手を取っていて。
なんだか、たつがおかんになってくれて良かった。
「はよ、琉平のとこ行こうや!いちゃつくなバカップル!」
お似合いでむかついたから、暴言吐いてリビングに走る。
あっちは気付いてると思ってないだろうけど、廊下に響いた可愛いリップ音はがっつり聞こえてた。
子どもの前ではちちくり合わんといてな!
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