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「わっとと、危ない危ない」
器用に宙返りでドラゴンと距離を取る双刃使いの男。ドラゴンの反撃の気配を察知し、咄嗟に後ろに跳ぶのがあとコンマ数秒遅かったら、男の首から上は宙を舞っていただろう。
傷付いた前肢を守るように、ドラゴンはもう片方の前肢を乱雑に振り回す。想像以上のダメージを受けたことに混乱しているのだろう、動きには無駄が多いが、それでもその中に飛び込んでいくのは自殺行為でしかない。
「さすがに、このレベルのドラゴンになると一回の攻撃で前肢を仕留めるのはきついっすね」
だが、ヒューと口を鳴らしながらそう呟いた双刃使いの男の顔には余裕があり、焦りなどは一切見えない。
ドラゴンの前肢に致命的な一撃を加える為、再度タイミングをはかる。
巨大な上半身を、傷付いた片方の前肢だけで支えるのには、例えドラゴンと言えども無理がある。必ず隙は生まれる。5秒後か、10秒後か………
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