writer.能瀬昌也

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『どんなんでもいいんだよ。この雑誌の場合、記事の真意なんて誰も求めてないんだからさ』 「でも……」 『メイン企画だし、面白ければ連載だって有り得るってよ。良い話だろ?』  電話の向こうで軽快にそう話す友人に、 「ならなんでお前がやらないんだよ」 と問い掛けると、奴は意外にも少し淋しそうにこう言った。 『だって俺、すげー面白い記事書く自信あるからさ……書けないんだ』  てね。 「意味分かんねーよ」 『俺の事はいいから、兎に角お前引き受けろよ。とりあえず1回目の金は前払いにして貰うからさ。俺に恥かかすなよ』  半ば強引に引き受けさせられた仕事だったが、正直前金は有り難い。
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