19人が本棚に入れています
本棚に追加
『どんなんでもいいんだよ。この雑誌の場合、記事の真意なんて誰も求めてないんだからさ』
「でも……」
『メイン企画だし、面白ければ連載だって有り得るってよ。良い話だろ?』
電話の向こうで軽快にそう話す友人に、
「ならなんでお前がやらないんだよ」
と問い掛けると、奴は意外にも少し淋しそうにこう言った。
『だって俺、すげー面白い記事書く自信あるからさ……書けないんだ』
てね。
「意味分かんねーよ」
『俺の事はいいから、兎に角お前引き受けろよ。とりあえず1回目の金は前払いにして貰うからさ。俺に恥かかすなよ』
半ば強引に引き受けさせられた仕事だったが、正直前金は有り難い。
最初のコメントを投稿しよう!