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「なんだ啓吾、食べないの・・・?
ちゃんと相手しないといけないでしょ、あの子が可哀想だよ。
啓吾のファンクラブの子でしょー?
慕ってくれて、クッキーを作って持ってきてくれてるんだよー。」
と及川は指でクッキーの袋をつつきながら浅野に目をやる。
浅野は自分に関係ないとでも言うように、テラスに目を向け、言葉を返す。
「あー?ああいう奴は受け取ってもらえたことだけで満足なんだよ。
あそこにいる女共だってそうだ。
俺の視線さえ受け取れば死ぬくらい嬉しいんだよ。
それ、俺はいらねーからお前が食え。」
と言って、テラスの外で騒いでいる生徒たちを一瞥した。
「ひどい奴だなぁ…啓吾は。
少し笑って、手ぐらい振ってあげればいいのに。
あ、もしかして俺があの子の頭撫でたのが気に入らないの?」
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