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「なぁなぁ!!モロの新しい実況みたか?」
「みたみた!!面白かったな!!相変らずゲームは下手くそだけどwww」
「まぁ、そこがモロのいいところなんだよ!」
そうクラスメイトの話し声が聞こえてきた。
モロ
それは今、実況界で最も人気のある実況者らしい。
僕のクラスでは、実況が今とても流行っていたのだった。
モロという人物は、実況者のくせに、ゲームが全く駄目で下手くそらしい。だが、そのトーク力と実況で観るものの心をわしづかみにする何かを持っていた。
「なぁ!拓海!モロの実況みたか!?」
机にしがみ付くように話し掛けてきたコイツは、僕の唯一の友達とも言っていい浜崎武(はまざき たける)である。
「ごめん…見てない。」
「なんだよぉー!!お前一つくらい実況見てみろって!絶対はまるからさっ!!」
「あ…うん。」
僕は皆のように実況にはまっているわけでは無かった。むしろ全く興味が無かった。
そのせいで皆との話の輪に入れず、一人いつも本を読んでいる少年であった。
そんな時声を掛けてくれたのが武だった。
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