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「じゃあ、絶対見ろよ!!」
武と別れた後、武は僕の姿が見えなくなるまでそう叫んでいた。
周りにいる人達がチラチラとこちらを見てきて正直恥ずかしい。
僕は、
「分かったからっ!!」
と叫び、走って家へと帰った。
家につき、靴を脱いでリビングへと向かった。
するとテーブルの上に作りおきの夕食と手紙が置いてあった。
~拓海へ~
今日は帰れないため先にご飯食べておいてください。
(今日も…だろ…)
そんな事を思いながら僕は自分の部屋へと上がっていった。
僕の家は、母と僕だけの二人暮しだ…。
父は僕が幼い頃に離婚し家を出ていってしまったらしい。
女手一つでここまで僕を育ててくれた事を僕はとても感謝していた。
だが、やはり母一人で男子高校生を育てるのは大変であり、毎日仕事場に寝泊まりで仕事をし、生活費を稼いでくれている。
それからと言うものたまに帰ってきては、こうして夕飯を作って行ってくれる事があった。
僕は、何とか母の助けになろうとアルバイトを始めようと思ったが、母に
「拓海は何もしなくていい」
と言われバイトを反対されてしまった。
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