紅崎赤子

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 閑話休題。  道具を持つということが壊滅的に苦手な赤子さんに渡すべくは壊れることを想定した上で考えなければならない。  壊れにくい物をプレゼントするというコンセプトに刃こぼれしない、二十年は研がずに使えるが売りのお高い包丁をプレゼントしてみたら二十秒でへし折られた前科がある。しかも何故かまな板までへし折られていた。  これでわざとじゃないと言うのだから末恐ろしい話である。  いっそのこと消耗品の類いなんかいいかもしれない。  例えば、……紙コップとか?  いやいや、さすがにそれはない。  無難に、誕生日に作られたワインとか?  いや、僕そんなおしゃれキャラじゃないし。  なんて、無い頭をひねったところで都合の良い名案なんか浮かばない。それなら、と自分の頭にあるものだけに頼るのをやめて他から案を探すことにする。とりあえず時間がないので彼女が喜びそうな消耗品など思い付かないかと彼女の親友に早速メールを送った。返事が帰ってくる前にとできるだけプレゼントの幅を広げるためにパソコンを立ち上げネットでも検索してみる。 「ええっと、プレゼントになる消耗品で……お願いグーグル先生!」  そう、毎度お馴染みのグーグル先生である。  彼(もしくは彼女?)には学生の頃よくお世話になったものだ。主にめんどくさい調べものに対して外聞的な部分だけでも掴もうと目論んだ時とかに。  不真面目な学生あるあるだね。 
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