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囲炉裏の有る居間に行くと、常連さんの老夫婦が先に食事を。
家族連れとアベックは、まだ着いてないようだ。
食事は、鯉のあらいと岩魚の塩焼き、そして山菜尽くし。
岩魚は、串に刺して囲炉裏で焼いて。
それに、何故か御幣餅迄焼いている。
ハイキングでお腹ペコペコなので、どれも美味しい。
いつもは、少食の凌子もお代わりしている。
山の幸を堪能して、露天風呂に!
「晩御飯たべ過ぎたから、腹ごなしにもう一回お風呂入るわ」
「一緒に、行こ!」
お風呂へ二人で。
でも、脱衣室には脱いだ服が。
嫌な予感。
内風呂に先に浸かり、女風呂の扉の開く音に神経集中。
ガラガラっと開く音が。
凌子が、入って来た。
でも、直ぐに男風呂の扉もガラガラと。
小学校一年生位の少年とお父さんが。
益々、嫌な予感!
少年は、直ぐ様露天風呂の扉を。
すると、大きな声で
「お父ちゃん!」
「お兄ちゃんとお姉ちゃんが、お風呂で抱きついてる!」
お父さん慌てて、口の前に人差し指を立て
「こっち、来なさい!」
少年は、尚も
「外のお風呂一緒なんかな?」と
間違いなく少年の声は、凌子の耳に届いてる筈。
当然、凌子は露天風呂には入らない。
練りに練った、私の企みは少年の告げ口で、一瞬に脆くも崩れたのは言うまでもありません。
あ~~
私の目標は、遠い!
【完】
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